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ブラック・クランズマンのmasakaのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

コロラドスプリングス初の黒人警官となったロンが、白人警官のフリップと二人一役でKKKに潜入します。


何というか、上記の一文あらすじが全ての映画。ネタバレと言うか、トレーラーで見たのが全てと言うか。ある意味でシチュエーションムービーと言えるのかもしれない。
ロンのトークと機転は爽快で、差別主義者達の胸が悪くなるような言動すら滑稽に見せてくれるほどで、ロン役がジョン・デヴィッド・ワシントンでなければ、多分最後まで観ていられなかったんじゃないかと思う。(それくらい差別主義者達が気持ち悪い)
KKKの行動を眺めるロンの葛藤なんかを表情一つで表現したりして、上手いなぁと思ったり。

大分御都合主義っぽい展開もあるんだけど、まぁアカデミー脚色賞受賞は納得かな?…いや、やっぱりちょっと時勢の影響もあったかも。

監督自身が黒人だから、黒人が差別された出来事なんかは長々と語られるのに、KKKの儀式はどこか嘘っぽく狂信者の狂気も感じられないし、KKKはユダヤ人も差別の対象にしてたのにそれに対しての具体的な表現もなく、役者の台詞のみ。
ロンの相棒で実際に潜入したフリップの葛藤も、ロンほど掘り下げて描かれないので、どこか「喧嘩の言い分を片方だけから聞いてる」気分になる。
差別に反発して武装化し過激化していこうとする黒人側には全くストップが出来事としても心情的にも掛からないのも、なんだかなぁ。
劇中、ロンが「内部から変えていくんだ」「外側で喚いても効果はない」的な事を言うのだけど、まさしくこの映画は「外側で喚いてる」映画なのが皮肉でした。
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