しゅんまつもと

ブラック・クランズマンのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.3
好みこそあれど、「グリーンブック」とどちらが良い、とかそういうのは野暮だと思う。例えスパイク・リー本人が何と言おうが。
どっちも必要でしょ。少しでもこうあってほしいと願う「希望」の映画と、浮かれてんじゃねぇぞと「現実」を叩きつける映画と、どっちも必要。しかもそれが日本ではほぼほぼ同時期にかかってる。結構すごいことだと思う。

潜入ものとしてのスリル、コミカルさ(アイ、トーニャのアイツが一手に担う)など、映画としてのおもしろさが詰まった作品でありながら、やはり強烈に忘れがたいラストに全て持っていかれてしまった。
「考えさせられた」なんて言葉で終わらせてしまうのに腹が立ってしまうくらい。何か行動を起こせないものか。
ブラックパンサー、ドリーム、This is America、デトロイト、ときてもまだだめか。どうにかしてくれ、世界よ。いや、どうにかしようぜ。
日本ってこれ他人ごと?違うくない?人種だけの話じゃない。自分なりの生き方を奪われたらどう?周りと少し違うところを責められて馬鹿にされたら嫌じゃない?

仕事で海外の人と関わることがたまにある。上司があるアジアの国の人を指して「あいつら馬鹿だから、これくらい説明してやんないとわかんないだよ。」と言っていた。自分ができることはこういうところから変えていくことだと思う。半径3メートル以内から。
これは怒りの映画だ。