らんまる

ブラック・クランズマンのらんまるのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.9
初の黒人刑事として採用されたロンは周囲から冷遇されていたが、ある過激な白人至上主義団体KKKのメンバー募集に電話をかける。そこから二人の刑事が潜入捜査に挑むことになるんですが…

率直にいうと、見ていて気分の良いシーンは多くありません。白人至上主義団体の過激さが目立ち、黒人差別・ユダヤ差別がすごくて人間の醜い部分が露わになります。ふたりの刑事が爽快なアクションをするわけでもないし、最後は皆が幸せ!ハッピーエンド!ってわけでもないです。観ながらどんなラストなんだろうってずっとワクワクしていましたが、観終わった後は、複雑な気持ちだけが残りました。

それでも観てよかったと思いました。
日本に住んでいると「差別される」という経験をすることはあまりない。だから差別に関して日本人はあまり関心がないと思います。あまりにもありきたりな言葉しかでませんが、この映画を観ると考えさせられます。

そして実感します。白人至上主義も黒人差別もユダヤ差別も過去の産物ではないと。「憎悪の居場所はない」と諌められてもなお消えない差別にぶつけようのない怒りと悲しみがこみあげる映画でした。
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