松井

ブラック・クランズマンの松井のレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.9
1979年、黒人差別が蔓延してる時代にコロラド州で初の黒人警察に就任したロン。偶然、新聞広告で見つけた過激派の白人団体に電話したら英語の発音と黒人を揶揄する熱意が通じて入会することに。困ったことに白人の団体に黒人は入れない……そこで白人警官のフリップが潜入し、電話でのやり取りはロンが担当する奇妙な潜入捜査が始まった……






日本人の自分からすると肌の違いの差別がピンと来ないのだがこの映画は潜入捜査をすることで白人、黒人の本音が聞けて勉強になる。潜入捜査もスリリングだったし、何よりもあのデンゼル・ワシントンの息子が主演だったのには驚いた。










以下ネタバレ感想★★★★







ブラックパワー、ブラックパワーと一緒に雄叫びをあげたくなるくらい熱意のある演説は見入ってしまった。なぜ肌の色が違うだけでこんなにも憎しみあうのだろうか……おぞましい歴史的背景が根本にあるのが一因だとは思うのだけど、こんなに苦しいなら仲良くできないのかなと浅はかな考えになる。ラストシーンで今でも解決してないのが悲しい。




潜入捜査を二人一組でこなしていくのが新鮮。英語の発音の違いが分かればもっと楽しめるんだけどなー。声が違うからすぐバレそうなんだけどフリップの演技力で切り抜けるのは緊張感があって良かった。最後のネタバレの電話は痛快でスッキリした。ネタバレを聞いた表情は忘れられない(笑)


ロンが爆弾現場で警察に射殺されなくて良かったよ。絶対死ぬだろうって予想していただけに。それだけ魅力的なキャラクターだった。


結局、差別はなくならないんだろうなと思わせる。社会的なメッセージの強い映画だった。ショックとか悲しいとかいう感想で終わらせる自分にも歯痒い気持ちになる。
松井

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