このレビューはネタバレを含みます
踏みにじられ、ボロ雑巾でいることを望まれ、それでも諦めなかった少年のあの表情! そしてあなたには心がないのか、という痛切な言葉。
非行に走りそうなものなのに、彼はそうならなかったのは、「他人の気持ちを思える」という心と正義感ゆえだと思った。
悪側は自分の欲望を満たすことがすべてで、敵意のようなものはない。だから正面からぶつかるという感じでもなくて、それがかえって無力感を煽る。そして憎まれたり訴えられるということがうまく理解できない。
相手が子どもだから余計にナメてる感じが露骨だけど、こういう「こちらだけが最低な思いをして相手はなんにも気にしてない(どころか無意識にタチが悪くなる)」みたいなことは少なからずあるよねーと、上司やクライアントの顔が脳裏に浮かんできて変な汗かいた。
法廷とそこに至るまでのシーンが編み込まれた構成も好き。