あらすじを読んでビビッときたら取り敢えず観に行けば良いんじゃないですかね。
僕はこれは観に行くべき映画だと感じ、その価値があったと今思っている。
事前知識なしで鑑賞したが、登場人物たち、特に主人公のゼインに演技が上手な子以上の、まるでその場に本当にいる子供のような目をしていると感じた。そこで生まれそこで育ち、そこで苦しみそこで希望を探しているような。
なんと実際にシリアの難民だったり、両親と離別したり、そういう人々が演者となっている。
どうりで演技以上の圧を感じるわけだ。
あらすじから感じた衝撃ほど激動のストーリーテリングが行われるわけではない。意外と地味に、かつユーモアもありつつ癒しもある。(ヨナスという赤ん坊がまあ可愛い!動物以上人間未満。)
これは決してドラマチックな物語ではなく、現実に横行している事態なのだろう。
自分を産んだ罪で両親を訴える。問題の深刻さを理解しているのかいないのか、裁判長はゼインを諭すが、ゼインの一言にぐうの音も出ない。
答えがある問題なのか、どうすべき問題なのか、まずは向き合わなければどうにもならない。
辛いが良い映画を観た。