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存在のない子供たちのkamuroのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.5
この映画を劇場で見てからもう1ヶ月近く経つ。それでもふとした瞬間にこの作品のこと、ゼインのことを思い出す。

この世界にいったい何人のゼインがいるのだろう。そのうちの何人がラストシーンのゼインのように笑えるのだろう?

両親もいるし兄弟も数多くいるが愛されていないゼイン。
片親だし兄弟もいないが母からこの上なく愛されてるヨナス。
この二人の対比にまた悲しくなる。
ラヒルがヨナスにキスをするシーン、本当に愛しくてたまらないのだな、というのが痛いくらい伝わってきて、苦しくなる。

ゼインの両親が法廷で叫ぶ
「こんなはずじゃなかった。」
ほんとはみんなもっと輝かしい未来を描いていたはずなのに。
もっと違う状況なら子供たちを愛する親になれたのかなぁと、彼らのおかれた現状を恨まずにはいられない。

今年一番印象に残る作品だった。
これはもはやドキュメンタリーだ。

どうでもいいけどゼインくんのこと中東のリバーフェニックスって呼んでる。
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