ゆ

存在のない子供たちのゆのネタバレレビュー・内容・結末

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 ドキュメンタリー風フィクション映画。レバノンのスラムに生きる戸籍のない子供たちを描いた作品。
 ストーリーが純粋に面白く引き込まれる。主人公の少年が暮らす荒んだ家庭の描写からはじまり、11歳の妹が嫁として無理やり連れて行かれる衝撃的なシーンや、主人公の家出、親切にしてくれる不法労働者の女性との出会い、女性の逮捕、取り残された赤子を手放すシーン、主人公が人を刺して逮捕されるまでのストーリーが、間に裁判での証言シーンを挟みながら流れるように進んでいく。多少の退屈はあれど、その退屈をカバーして余りあるほどの厚みのある内容だったと思う。
 社会性の強い作品なので好みは別れるかもしれないが、僕はとても好きな作品だった。
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