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イメージの本のjamのレビュー・感想・評価

イメージの本(2018年製作の映画)
3.6
世界は単純じゃない

悲しみ方が足りないから
世界は良くならない


88歳ゴダールの最新作
正直、ゴダールの作品をきちんと観たことがないので、こちらもスルーしようと思っていたのだけれど。
魔がさして(笑)としか言いようがない…

文章、絵画、映画、音楽
これらの要素を想うがままに

海岸を走る列車
緑から青、黄色、赤へと
鮮やかな色彩で目が眩む

スコット・ウォーカー「The Drift」
訥々と語るのはゴダール本人


1.REMAKES
2.ペテルブルク夜話
3.線路の間の花々は
 旅の迷い風に揺れて
4.法の精神
5.中央地帯

の5章からなるアーカイブ

徐々にゴダールの"怒り"のボルテージが上がっていくのがわかる
5章では、時間を割いてアラブ世界について述べていて


打ち捨てられた土地
ここに薔薇があれば
花開いたばかりの薔薇が


言葉と映像から
彼の想い描くイメージを読み解こうとするけれど
…まだまだ…



例えば何ひとつ望みどおりにならなくとも
我々の希望は変わらない
過去が不変であるように
希望は不変

希望は生き続けている
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