Yuya

アメリカン・アニマルズのYuyaのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
3.1
♫You claim you got something going.
Something you call unique.
But I've seen your self-pity showing.
Soon you know I'll leave you.
And I'll never look behind.
So con, convince your mirror.
As you've always done before.
“何かが手に入る 特別な何かが…
そんな主張したって 哀れになるのがオチ
君とはお別れさ 昔にはもう戻れない
騙せばいいさ 鏡の自分さえごまかしなよ
いつだって そうしてきたんだろ”

流れるロドリゲスの歌が 全てを明かしてた
“あまーい”奴らの”これがリアルだから”

何かが面白いとか 誰が何を考えてというより
検証的な意味合いのドキュメンタリーとして
努力しないで何かやりたいって 稚拙な人間の思考のメカニズムと顛末の結果が よくわかる作品
周囲のイケてるノリや 成長の速度には追いつけず
まるで違う自画像を描いては 自己表現の乏しさと自信のなさをコートの内側へとひた隠す屈折した若者達
社会を理解せず ただ社会に理解されたいような
自分都合な正論には 人への迷惑の概念は見てとれない
けれど服役後の彼らの言葉には
”何かが起きれば特別な人生だと思った“
”止めるチャンスはあったのに 思いついたら諦められなかった“
”家族に嫌な思いをさせて 人を傷つけたことからは逃げられない“と 悔恨と反省が垣間見えるわけで…
うーん それも 人生の厳しさなんだろうね
目の前に引かれた一線を踏み越え
疑問や罪悪感など抱かず 欲望のままに ニューヨーク アムステルダムへと向かう姿は まさしく“アニマル”のそれと重なってしまったもん
何より それぞれの記憶が なんか自分に有利に改竄されてたりもしてさ
なんか 簡単に憧れ過ぎちゃってたんだろうな
空を飛ぶ鳥って 一見とても自由に見えるけど
かなりの筋力と精神力がなきゃ きちんと羽ばたけないんだよね

でもね 過ちから学び 何かを得たなら
彼らは人間だったんだと この映画で知ること 知らせることができて
そんな経験を活かして 世の為人の為に生きられるなら
きっと ハッピーエンドなんだと信じたいものだ
Yuya

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