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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうたのトレバーのレビュー・感想・評価

4.5
そりゃあね。
「シング・ストリート」が好きな人ならば
必見!なんて記事とか評判を耳にしちゃったら
あの映画を愛してやまないボクとしては、
観に行かないわけにはいかない!と、初日に鑑賞。

「シング・ストリート」のようにエモーショナルではありませんが、
むしろそこが良い、しみじみと好きと言える映画でした。

NYの片隅で細々とレコード店を営む、かつては
ミュージシャンだったが妻を事故で失い一人娘と暮らすフランク。
商売っ気がないから赤字続きで進退を考えてる。
娘サムは、街を出て自分の道を切り開くため
医大の入学を目指している。
フランクの楽しみは、サムとのセッション。
フランクは、亡くなった妻のような才能がサムにはあると信じている。
サムは音楽も、ボンクラだけど憎めないパパも
嫌いじゃないけど、受験の事で頭がいっぱい。

でも、いつものパパのおねだりからのセッションで、
燦めくようないちフレーズが生まれた。
今のはすごいぞ、レコーディングだ!
今は簡単に宅録が出来る時代、でも曲が生まれ落ちる瞬間は昔と変わらない。
この時が、まさにハーツ・ビート・ラウド!

フランクはひとり浮かれてしまい曲をネットにアップ、
すると配信サービスSpotifyにフックアップされ
レコード会社の耳に届くまでになる。
このスピーディさも今の時代ならでは。

ひょっとしたら不安を吹き飛ばす一発逆転もありかも!
(店の経営、娘の高額な学費、ボケが始まり心配な母親、、)
何より念願だった娘とバンドが出来る!
夢を語るパパに対して、目の前の現実
(進学、一人暮らし、出会ったばかりの彼女との別れ)
に悩むサム。すれ違いそうになる二人だけど、、、。

ほんの数日間の出来事が描かれています。
親子や周囲の人々の関係をさらりと見せていくのが上手い。
サムに、〝彼女〟が出来たのと告白された
フランクの優しく受け止めるあたりとか。

トニ〝ヘレディタリー〟コレットが、絶叫を封印w
フランクの友人を軽やかに演じています。

サムちゃんの演技と声が素晴らしい!
ソウルフルというより繊細な、シンガーソングライター的な。
曲も、最高なんだなあこれが、、、。
今の時代もちゃんと踏まえた楽曲だけど、
ギターの音色とかインディーギターロック魂が
伝わってきてついニヤケてしまう。

特にドラマチックな何かが起こる映画ではありませんが、
ちょっと心が暖かくなる映画でした。

楽曲が最高だったので、個人的評価↑です👍
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