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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうたのhitomiのレビュー・感想・評価

4.7
予想通り、好きな作品。じわじわ系。とてもよい…!平日夜に一人で観に行って、帰り道はサントラ、なやつ。最高。

これ、ものすごく平坦な作品なんです。でもそれがとてもいい。
わたしたちの人生なんてそんなにドラマティックじゃないし、大きな展開もさほどない。多くの夢は叶わないし、毎日仕事やお金、色んな何かに追われてる。だからこそ。だからこそ、この演出がとても丁度良い。ものすごくリアルなんだよね。

自分の夢が揺れ動く姿もとてもリアルだし、でもそこで最後にああいう決断をさせてあげたのはさすが親だなあ、と思う。

素人ながら15年音楽をやっていた身としては、音楽づくりのリアルさに驚く。これこれ!笑
作り始めはなかなか形にならないし、演奏が楽しくなるとテンポが速くなってしまうし、少しずつズレちゃう。そうそう、この感じ。
コードを探りながらこれじゃない、こうかも、いや違うな。なにがしたいんだっけ、ってなる感じ。ふふって笑っちゃうな、愛おしくって。

あと、この作品の素敵なところは意図して「自然な配慮」をしているところ。わたしこの自然な配慮ってものすごく映画で必要だと思ってて。人種や性別、ジェンダーに気遣うってすごく意識が必要なのに、それがいやらしくない。「見て、ちゃんと気遣ったよ?えらいでしょ?」って作品には嫌気が差すから。

ぜひお家でコーヒーを飲みながら、父親と観たい作品です。
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