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モンパルナスの灯のtmのネタバレレビュー・内容・結末

モンパルナスの灯(1958年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

非常に悲しさの残る幕引き。1人幸せの涙に包まれているアヌークエーメを傍に、金への欲が暴走する画商と徐々に強くなる音楽とが印象的。アヌークエーメの最後の表情の悲しさとその美しさは忘れられない。
史実とは異なるという声も散見されるが、これはこれで完成されていてぼくは好き。

ジェラールフィリップのコーデュロイのジャケット、これを雨の中でも傘をささずに襟を立てて無骨に着るというのは格好良い。雨に唄えばでも雨の中傘をささずに歩くシーンがあるが、あれは現実離れしすぎている。雨にずぶ濡れになる格好いい男というのは本作での彼だと思う。
ジェラールセティのまさしく正統な礼儀正しい衣装も素敵。フィリップとは対照的。

アヌークエーメの膝下丈のコート、初見ではトレンチかと思ったが違うようだ。生地はおそらく目の詰まったコットン、シングルでボタンは3つか、セーラーの様に襟が大きく顔の小ささが際立って素敵。またベルトを縛り、ウエストマークされているところも正統派。
彼女の深い襟ぐりのvネックの黒いセーターか、鎖骨が見えておりとても魅惑的。ネックレスもネックラインにあわせたチェーンの長い物で上品なvゾーンを作っている。パリジャンらしい着こなし。
夜のセーヌ川のほとり、20年代らしく頭をチーフでつつむ姿も見られるが、あまり似合っていないのは残念。
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