大戦下ナチスに囚われた夫の帰りを待つ、マルグリット・デュラスの自伝的映画。
原作「苦悩」から夫の描写を省き時系列を整理しつつセリフは忠実な構成に感心。空襲時の闇と光の転換が心理の暗転に活かされ、生理に寄り添う音響が全身を貫くなど演出の冴えが際立つ一作。
『あなたはまだ帰ってこない』鑑賞を踏まえ、年末に原作マルグリット・デュラス「苦悩」を地元図書館で借りると、今は存在しない行政市時代の貸出票が付いてきた。昭和60年11月刊行の本書が、初め順調に借り出されるも昭和末から11年書庫に眠っていたのがわかる。河出書房新社より先月新装版発刊。(画像https://twitter.com/pherim/status/1098576186098122752)
マルグリット・デュラス監督作連ツイ紐づけ。(↓RT先前後4作)
https://twitter.com/pherim/status/1154731771772076032
デュラスは文学イメージが鮮烈すぎ、映画監督としての知名度はイマイチですね。でもその監督作群は孤高の表現性に充ちていて、『愛人 ラマン』原作者としてしか知らない映画好きにこそお奨めしとう。驚きますよ。
