このレビューはネタバレを含みます
「待つ」とは、結果に裏切られるかもしれないけど期待し続ける状態だし、だからこそla douleurなのだ
こんなにも待つことがdouleureux苦痛であることを描いた映画がいまだかつてあったか
極限状態におかれるうちに自己分裂していく、思考が定まらなっていく感じがとてもよく表現されていた!うまい
帰ってこない夫を探し待ち続けることに疲れ果て行動を止める主人公と対照的に、
おそらくガス室で殺されているユダヤ人の娘を待つ老婆がでてくるわけだが、毎日娘の服にアイロンがけしているわけです。娘の話をしながら。主人公と対比的に、activeな待ちの態勢なのね。
主人公がこの老婆を「神への挑戦を続けてる」と表現していたけど言い得て妙だ。自分の期待が全て裏切られると知りつつも、希望を捨てないことは尊い。
あとDurasの紡ぐフランス語は美しいな!こんなにも繊細な感覚に憧れてしまうよ