がんびーの

アースクエイクバードのがんびーののレビュー・感想・評価

アースクエイクバード(2019年製作の映画)
3.7
単一民族国家である日本のコンテクストの特徴をほぼ完璧に表現してる。ハリウッドでも日本を舞台にした映画がいくつかありますが、どれも「…え?」ってなる。撮影場所が明かに中国だったり、描かれている物の年代がずれていたり…
今作はその点素晴らしくリアル。地震、電車、下町、人の対応、会話の特徴、どれも違和感を感じなかった。アリシアさんの演技力の高さを感じた。

“Earthquake Bird”このタイトルがどのような意味を成すのか。
地震が起きた後にやってくる静寂。鳥のさえずりが聞こえる。それは地震という激しい揺れが起きた後のみ聞くことができる。
ではこの映画における「地震」とは何だろうか。その後に来る「静寂」は何だろうか。三角関係による心の葛藤。過去の黒い記憶。テイジという謎の男の存在。ただ「地震大国を舞台にした映画」と打ち出しているだけでないことは確か。
過去の苦しみが柵となり彼女を縛り付ける。誰にも言えず自分の中で終わらせようとする。そんな彼女にTokyoは住みやすい街なのかも。

ある時、日本で暮らしていた外国人女性リリーが行方不明になる。友人であるルーシーに容疑がかけられるが、2人の女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン、禎司の存在があった。警察はルーシーを取り調べるが、彼女はなかなか確かなことを話そうとしない。東京の闇夜の中で、ルーシーにとりつく死の気配が充満していく…。

ぜひぜひ
 
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