アラジンは子どものから特に好きなディズニー作品。あのアニメ版をどう実写にするかが楽しみだったのですが、映像もそうですが何より、加筆してあったキャラクターひとりひとりが何を考え何を求めていたかの背景がよく分かって、この実写アラジンという物語が描こうとしていたものが分かったような気がする。
身分だけで胡座をかいて世の中を見ようとしない無能ではなく、母の意志を継いで国を愛し、民を第一に考え、古い時代に女の身で一国を背負う覚悟と強さとその内面の美しさが際立っていて、ジャスミン好きとして、彼女のそういう面が見られて何よりです。
女だから従え、女は見てくれだけ綺麗なのが当然で黙ってお飾りでいろと、女であることを強要され続けてた彼女にとって、父親や友人の命と引き換えに、悪人に屈服させざるを得ないの物凄い屈辱だと思うんよね。アニメだと色気を出してか弱く自分を見せるべく演じてたけど、自分が我慢すればこの男は満足なのだろうということが分かってるんだろうなっていうの、子どもながらにめちゃくちゃ悲しかったんだよ…
アラジンの気持ちを読んだのもそうだけれど、ジャファーの人の嫌がる方法を見抜く力はマジ才能。ジャファー自身も若い頃貧しくて他人に力を認めてもらえないままの屈辱を味わっていたというの、お前そんな人間だったんだな…と妙に納得。
A whole new worldのシーン、ジャスミンがいかに好奇心に溢れ、もっとその目で世界を見たいと望んでいたのかに気がつきました。アニメだけじゃわからなかった部分を補ってくれたという感じ。大人になってから観ると、また視点が変わるからなのかな。アグラバーより外へいとも簡単に連れ出してくれた
アラジンは、この人なら楽しいものを見せ続けてくれるのでは？という期待と、アラジンが等身大のジャスミンを見て、彼女がしたいと思う事に「僕の意見が必要かい？」と、さり気なく自由にしてもいいんだという事へ後押ししてくれたところが良かったんだなあと。アラジンもジャスミンも、本当の自分を認めてもらいたいという部分が、心を通わせたきっかけなのかななんて。
というか最後のジャスミンが好きな男は自分で捕まえた文句は言わせない感、かっこよかったんだよ！女王様だからね！アラジンもそういうところにこだわらなそうさがまた良し。ジャスミンと結婚したあとも彼も彼でまた自由にするのだろう。
もともとの曲のアレンジが大変良かった。ウィルスミスジーニーがめちゃくちゃコミカルに演じててくれて、次に何をするかにずっとワクワクしてた！ただ声は山ちゃんで再生されてしまうのは仕方ない。「偉大なる大 宇 宙パ ワーーー だけどお家が狭いの」
アラジンて魔法のランプ魔法のじゅうたんといって、魔法がウリ文句なのに結局魔法なんて見てくれだけで、自分の力で手に入れていないものは全てまやかしで毒にしかならないという教訓を見せてくるとこ割と好きなんだよな…ジーニー自身がそれを分かってるところも。アニメラストはジーニーは魔人じゃなったあとも魔法が使えて世界へ旅をしに行くんだけれど、その時のうかれハッピー具合がアニメならではでかわいいんだ。ここは実写が改変した部分だけど、こっちも地に足ついた感があって個人的にはあれはあれでアリでした。
