ヨダセアSeaYoda

ペット・セメタリーのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(2019年製作の映画)
2.6
観た回数:1回
直近の鑑賞:映画館(20.01.19)
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スティーヴン・キング原作、2度目の映画化。1989年版の映画に比べ、更に大胆なアレンジを加えたパラレルワールド的なリメイクとなっています。
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まとめると…
●王道の恐怖に盛り上がる
●89年版と好みが分かれそうなラスト
●詰めの甘さは気になる
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【STORY:死の方がマシだ。蘇生系ホラー】
主人公一家が引っ越してきた家の敷地内にはペット墓地があった。そして更にその先には、不思議な力を持つ土地が…。
猫の死を発端に、不穏な物語が動き出す…。


【王道な恐怖演出に盛り上がる】
89年版のレビューにも書きましたが、89年版は盛り上がるまでに時間がかかる上に、盛り上がっててからの終盤が非常に短く、呆気なさを残念に感じる作品です。

今作も "サビ" といえる部分に突入するまでには長い時間を要するのですが、
盛り上がったその後もじっくり時間を使って恐怖を感じさせてくれるという点が非常に嬉しいです。


【89年版と好みが分かれそうなラスト】
"娘は〜" というキャッチコピーからも分かる通り、途中からは89年版と違うパラレルな展開が始まる今作。
最後まで異なる物語が用意されているため、結末としては89年版と今作で好みが分かれると思います。

僕個人としては、人間の愚かさ・滑稽さが感じられるような89年版の方が比較的好みなのですが、決して "今作のラストが悪かった" とは思いません。
ネタバレせずにどう良かったか表現するのは難しいのですが、今作のラストも "あり" だと思います。


【詰めの甘さは気になる】
前述の通り、ホラーとしてじっくり楽しめるように恐怖パワーがアップした『ペット・セメタリー』。
しかし残念ながら、良かった事ばかりではありませんでした。

例えば "Pet Cemetery" がスペルミスによって "Pet Sematary" となっている事について、89年版では子供達と関連づける説明が少しされていた筈ですが、今作では特に説明がなかったり。
ポスターや予告で印象的な「仮面」も特に大きく触れられることもなく、単に雰囲気作りに使われたのみだったり。
他にもチラホラと、全体的に「詰めが甘い」と言わざるを得ない部分は散見されました。

原作があったり、有名な89年版がある上でリメイクする意義を打ち出していかなければならなかったりと、
通常より脚本や演出には負担があったことは想像できますが、もう少し統一感があればなぁとは思いました。

あと、昇降機の演出はくどすぎましたね…


【娘役の演技がすごい】
エリーを演じたJeté Laurenceちゃんの演技が素晴らしい味を出していました。
12歳にして、一人二役ともいえる今作の役をしっかりこなした彼女の今後に期待です。

窓で「フフッ」と笑う所は、1秒にも満たない部分ですが非常に印象に残る良いカットでしたね。
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