スポック

七つの会議のスポックのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
4.5
日本製は世界に名だたる高品質な製品を作り出す。
世界有数の厳格な品質基準がそのような高品質を維持する秘訣である事は間違いない。
この映画は日本企業特有の闇の部分を糾弾しているのではなく、例えば世界企業のフォルクスワーゲンの巧みなデーター不正改ざんに代表される様な利益追求が宿命な会社組織にありがちなこととして捉えるのが正しいと思う。
往々にして企業は利益と競争を勝ち抜くことを追求するあまり品質基準違反をしてでも仕入れコストを下げたい欲望に駆られる。
安全性と公平な競争の為に品質基準を遵守することは重要だが、世界レベルから省みると日本の基準の高さに驚くときがある。
この物語にあるように品質基準不正をしている企業が日本に存在していたとしても今だに日本製は世界レベルからすると信頼性が高いのである。

私には品質基準遵守に代表されるコンプライアンスに関連する日本国内の気になる事象がいくつかある。
その一例は駐車違反の取締りの厳しさと無意味さには憤りを感じることが多いことだ。
ヨーロッパの各国をレンタカーで旅すると、都心であっても多くの道路の路肩は駐車が可能だ。
日本のコンプライアンスの押し付け合いと、それを遵守させようと躍起になる正義側の罰則が、経済発展の余地と日々の生活の余裕と利便性を大きく損なっているように思われてならない。
常識の範囲内でどこにでも駐車出来る行為は自分自身や他人への迷惑になる時もあるが、明日は自分の利便だと思う事がしばしばある。
空いている路肩のスペースに駐車をしてドアツウドアで動線を短くして短時間で消費や用事を済ませる事は生活を豊かにし、シンプルに便利で人間味のある楽な生き方を日本人にもたらす様な気がしてならない。
そんな場所に車を停めたら周りの人に迷惑だろうと声高々と正義をふりかざす人が出てきて、停めた人物を悪人に仕立て上げる日本の息苦しさを少しでも変えていきたいと思う時がある。
日本製品の品質の高さは誇りであり安心であるが、世界基準から余りにもかけ離れた過剰なコンプライアンスからくるコスト高は、日本より国民所得が高く人件費も高い韓国製品との競争に負けている今の現状を鑑みると見直すことも価値あるように思われる。
脱法行為は許されないが、ハードルの高さを低くして日本全体のコストを下げる事は世界の競争に打ち勝つ方法として再考に値すると思う。