木曳野皐

天使のたまごの木曳野皐のレビュー・感想・評価

天使のたまご(1985年製作の映画)
-

ムズカシカッタ…ムズカシカッタ…

【花束みたいな恋をした】鑑賞後、何故か“押井守”という名前だけが私の頭にこびりついて離れなかったが、今作を観た理由はそこではなく、あらすじを読んで面白そうだなって思ったらたまたま押井守監督だったと言うオチなので、あらすじを読んでしまった以上《たまごの中身》知りたくなっちゃうじゃないですか…
極端な台詞の少なさ、少し不気味な世界観。何故、少年少女の髪の毛が白かったのか…
なんか思うにスタンリー・キューブリックの【2001年:宇宙の旅】に似たような雰囲気を感じるのです。
無理難題、理解不能、天才達の遊び。
一般人の頭では到底追いつけない何かがコレらの作品の魅力なのかな、と。
流石に私も【2001年:宇宙の旅】は解説を読みに行ったんですよね、Google先生に頼って。それは私自身“あの答えを知りたかった”っていうのが根本にあるわけです。
だけど【天使のたまご】に関しては、解説とか答え合わせとか要らないかなって思う。分からないを分からないまま受け入れる事の素直さを私は大切にしようと思う、この作品に関しては。
無理に理解を深めようとしてその作品の形を変えてしまうような扱い方はなんかしちゃいけないような気がする…そんな繊細な作品なんです…
でも、
「貴方は誰」「君は誰だい」
の答えは自分なりに見つけられたので良しかな、と。
作中にもあったように私達は何処から来て何処へ行くのかは問われれば何も答えられないのが現実だと思って。ただ何となく進んでる人生ならばいっそ、こんな結末もアリなのかななんて思ってしまいました。
なんか結構真面目なレビューです。

“面白いけど分からない”
じゃなくて、
“分からないけど面白い”
な作品だと思います。
木曳野皐

木曳野皐