他者を理解する上で重要なのは、名前によるラベリングや所属による背景の予測ではなく、自分がどう関係してどう感じたかであろう。というのを社会性のない環境においては強く感じる。
そのため、「あなたをしらない」として、距離を置いた少女が「あなたはだれなの?」と直接的な疑問を投げかけたのは、逆転していてナンセンスなのだが、全て取っ払って他者を知るための近道をしようとしているように思った。それは警戒心よりも好奇心がまさった瞬間のような。
そして再び「あなたは誰」と問うたとき、お互いに沈黙する。過去で語れない以上未来で為人を形成していくしかないのかもしれない。