うらぬす

パス・オーバーのうらぬすのレビュー・感想・評価

パス・オーバー(2018年製作の映画)
3.4
演劇作品の映画化というより、演劇の公演をそのまま撮ったかのような斬新なスタイル。この監督の映画は『ブラック・クランズマン』と『インサイドマン』しか観たことなくて、どちらも純粋に面白いエンタメ(としても鑑賞可能な作品)だったから少し誤解してたけど、もしかしてこういう癖の強い演出とド直球の人種問題絡みのメッセージの組み合わせこそがスパイク・リーが持つ重要な一面だったりするのか。
参照元の『ゴドーを待ちながら』はもっと暗示的で観客に解釈を全面的に委ねるような作品だったと記憶しているから、その枠組みを用いてかくもストレートかつシビアなものを作る天邪鬼っぷりはちょっと面白い。