あさ

プライベート・ライフのあさのレビュー・感想・評価

プライベート・ライフ(2018年製作の映画)
4.2
結論から言う。好きだ。Netflixは押し出す作品を間違えてるんじゃない?勿論好みの問題だとはおもうけれど。2018年の作品なのに私の中では完全に埋もれてたよ。後半失速してる気がしたけど、こんなエンドロール大好きやねん。

不妊治療と向き合うリチャードとレイチェル。冒頭に映る部屋からふたりの生活や人生が見えてよき。賢くて少し空気が読めなくて、それでも誰より優しいセイディーのキャラクターもだいすき。本当にふたりの子供みたいなのだけれど、彼女が不妊治療中に"our child"と言った時のレイチェルの表情は本当に複雑。難しいなあ。難しすぎる。卵子提供に反対するセイディーの母に対して何でよ!と私も思ったけれど、リスクもまだはっきりしていない卵子提供に不安を覚えるのも当たり前だと思ったわ。実際、もっと手術みたいにぽいっと取り出すものだと想像していた愚かな私ですもの。

この映画は『セイント・フランシス』の関連から見たのだけど、中絶に続いて不妊治療についても知ることが少ないと知る。日本では卵子提供のハードル高いんやね。しかしアメリカでは卵子ドナーでお金が稼げるとインスタなんかで広告が出てくるらしい。映画で出てきたホルモン注射しかり、決して楽にお金を稼ぐ方法ではないしそうであるべきではない。臓器移植とは違うけれど、臓器移植に置き換えたら違和感のある話。実際に若い女の子が本作にチラッと出てきたように自分の生活や、学費なんかに工面するために食いつくのかもしれないけれど。絶妙に複雑。

すごくシリアスに書いたけど、リチャードが病院でぶち切れたシーンとかお茶吹き出しちゃったんだよね。いきなり笑かすのやめてもろて。やや乾いた笑い、好きやで。
あさ

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