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孤狼の血 LEVEL2のcinecoroのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
4.0
ヤクザ映画はたけし映画とミンボーの女(これは違うか…)しか観たことないヤクザ映画ビギナーです。しかし前作がめっぽう面白かったので役所広司なしで大丈夫なの?!と不安ではあったけど鈴木亮平がとにかくすごいってんで、喜び勇んで観にいきました。結果、めちゃくちゃ面白かった…面白いし、松坂桃李は気絶するほどかっこいいし、鈴木亮平も気絶するほど恐ろしかった…なのに何かこう、すごく良い!というには抵抗のある心に引っかかる何かがあったなあ。脂の乗った役者を据えて、エンタメに振り切ってしまってるところが気に喰わないのかも。カーチェイスとか、マジでいらなかった…。
前作の大上の、煙たがられているとはいえ警察組織の一部として実は全て把握しながらもひとり破滅に向かっていくかっこよさに比べると、日岡の足下の弱さというか、それこそ劇中で"泥被る覚悟もないまま"と指摘されてるように仕事きれいに収めすぎてる感があって、汚れ仕事をしているという底力のあるドラマが感じられなかった。
個人として上林に戦いを仕掛けに行くところのアクションへのギアチェンはさすがにずこー!となったよ。
キーパーソンであるチンタの刹那的な存在と、姉と日岡の関係は良かったし、鈴木亮平の怪演だけでも2時間超えて飽きさせない画力あって、ほんとにめちゃくちゃ面白いんだけどなー。
ラスト30分くらい、少し違う形でみせてほしかったなー。個人的な欲求としては、呉原署チームがもう少し観たかった。日岡が他所もんとして一匹狼でやっていくには仕方のない事なんだけど、最初と最後に呉原署の皆さんが出てきたときは(前作とは違う面子とはいえ)望郷感があった。捕物的な面白さは冒頭のシーンに極まっていたし、松坂桃李は「おどれら、全員逮捕じゃ」が1番だった。
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