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孤狼の血 LEVEL2のspoonのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

前作に弾く続き、今作も迫真の演技とストーリー展開に、とても見応えある出来栄えでした。

大上の死後の3年後を描いた作品。
故五十子正平を唯一慕い、悪魔と化した上林成浩を演じる鈴木亮平の演技が凄すぎて、憑依した冷酷さに身震いした。
近田(チンタ←韓国名で意味がある)を冷徹でしたたかな眼差しでシャブ漬けにしていくシーン。。。恐ろしすぎ。
上林が幼少期に負ったトラウマと心の傷が無ければ…と、上林の大きな背中に重くのしかかる悲哀を感じた。

近田幸太演じる村上虹郎の演技も設定も凄く良かった。愛嬌ある人懐こい笑顔、上林に勘付かれ徐々に窮地にじわじわと追い詰められていく対比の描写も超絶すぎて、引き込まれる。近田のシーンで2度涙してしまった。

日岡が瀬島のアパートに行くと、もぬけの殻。偽装だった部屋には子供の写真が。子供も妻も偽装だった。そう言えば、日岡が瀬島のアパートに来たシーンで、瀬島の妻(宮崎美子)が味噌汁をお玉ですくっているシーンの妻の顔、、匂わせてる意味深な感じでどこか怪しかったなと思い出しました。

チンタの姉が最後しらっと事故に見せかけて瀬島をわざとトラックの前に突き飛ばして復讐したんですね。

すっかり風貌も志も大上化したアウトローな日岡がラストで全滅したはずの狼と遭遇したシーンも良かった。
大上から受け継いだ狼の刻印入りのジッポ。大上も日岡も孤独な1匹の狼だったのだ。

1作目のクラブのママ真木よう子は良かったのに、今作の西野七瀬や、冒頭ら辺で出てきたスナック華ではないママさん達の演技はちょっと…。
西野七瀬さんはこの作品で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞されたんですけどね...


しかし伏線回収も完璧で、鑑賞後放心状態。
前作と同じく、目を覆うグロシーン多いですが、昭和から平成に移り変わり、裏社会の形態も法の改正で変わってしまった背景や、警察の裏など、色々考えさせられる映画でした。
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