ワンコ

真実のワンコのレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
4.6
なんか楽しかった
いつも映画を観た後は、あれこれ小賢しいこと考えて、自分としても面倒くさいなあと思っているが、これは、楽しかった。
正直、裏切られた感じがするほど。
真実について考えさせられるエッセンスが散りばめられてはいるけど、
「真実?」
またまたぁーって感じで、別にいいじゃないって気になる。

ファビエンヌとリュミエールが、サラを介して抱える誤解や葛藤、それでもリュミエールに対するファビエンヌの愛情が変わっていなかったことを知ると、やっぱり切ないし、でも、これも演技だったらどうしようって、頭の中がまたグルグルして、まあ、本当はどっちてもいっかって気にもなる。
リュックだって、本に出てこなかったことを理由に一旦は辞めたけど、迎えに来てもらうことを見越してたようだったじゃないか。
そう、真実なんて、自分の良いように解釈しとけば良いのだ。
だから、ちょっとした戦術や戦略も必要になるのだ。
そして、それはそれで良いのだ。

最後に、シャルロットが、母親のリュミエールに言われて、祖母のファビエンヌにかけた言葉が真実なの?ってセリフにも、「いいのいいの」って言いたくなる。
その時は、はっきり真実じゃなくても、いつか真実になるようなものもある。
ボヤけた輪郭の真実も、いつかはクリアな真実になるかもしれない。
そうして、上手くエンディングに向かえば良いのだ。

そんな感じの楽しい映画でした。
あと、カトリーヌ・ドヌーヴはさすが。プラス、マノンが素敵でした(笑)。
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