歌うしらみがおりました

町田くんの世界の歌うしらみがおりましたのレビュー・感想・評価

町田くんの世界(2019年製作の映画)
1.5
下手すぎ。オープニング、カントリー調の音楽を鳴らして軽快なコメディを演出したいんだろうけど、会話や動線がやたらしっとりしてるからリズム感が気持ち悪い。
クライマックスに繋がる風船の件も、井ノ原さんの後ろで少年が風船を離した→井ノ原さんが振り返った→町田くんが画面右から走ってフレームインまでをワンカットでやるくらいはしてほしかったな。っていうかあそこ「夢か現か?」みたいな描き方する必要ある?
クライマックスはクライマックスで、ああいう荒唐無稽を真正面からやろうとするのは良い。ただ実力が追いつかないから、「傍から見たら馬鹿馬鹿しいことかもしれないが、当人たちの情熱についつい感動してしまう」なんてことには全くならない。そもそも、あんだけ走るという行為を繰り返し描写してたんだから、最後も走らせなさいよ。それがエモーションだよ。そっちの方が速いからって自転車乗せんなよ。
ラストカットも噴飯もので、直前まである意味スカした演出をしていたにも関わらず、最後の最後にもまたスカすのはありえないでしょ。しかも相変わらずうまくないし。町田くんの運動神経が悪いって設定はクライマックスで使わないと。
水をモチーフにしてみたり、印象的と言える引きの画を随所に入れてみたり、照明を支配しようとしたり、バスの窓の外がピンクに染まってたり、映画らしい映画を作ろうという気概は感じるんだけど、ちょっと痛々しかった。

脚本もグダグダでしたね。挙げだしたらきりがないから書かないけど。