アガッあががオカ萬が人ぃい卐佛

双生児 GEMINIのアガッあががオカ萬が人ぃい卐佛のレビュー・感想・評価

双生児 GEMINI(1999年製作の映画)
4.9


こんなめにきみを会わせる人間は、ぼくのほかにはありはしないよ

(第二歌集『ドライドライアイス』所収)



穂村弘さんの短歌です。
この短歌は、明智小五郎の文中の話し言葉をそのまま歌にしたものだそうです。


本日7月28日は江戸川乱歩の命日である、「石榴忌(ざくろき)」です。
1934年に発表された中編小説『石榴』にちなんで、この名になったそうです。


現在僕は10日間程の入院期間中につき、暇を持て余しています。映画を観たり、Filmarksで好き勝手レヴューを書き殴ったり、昼寝したり、Kindleで漫画を読んだり、小音量で音楽を聴いたり、昼寝したり、YouTube観たり、文化的だが自堕落な生活を送っております。そんな中、Twitter...嗚呼失礼、Xを巡回していると本日7月28日は江戸川乱歩の命日だと知りました。これも何かの縁だと思い「江戸川乱歩原作の映画を観よう!!」と思い立った訳です。

候補は、
・キャタピラー(2010)
・RAMPO(1995)
そして今回鑑賞した
・双生児 GEMINI(1999)

決定の動機は特になく、何となく。でも、これが運命的な出逢いになりました。

これは凄いモノを観た、、、非常に素晴らしい作品です。


まずは原作。
『双生児』江戸川乱歩 のあらすじ。
「その二人の男たちは皮膚の皺の寄り方すら寸分違わなかった…。双生児として宿命を授かった男が考えに考え抜いた完全犯罪。自意識を保ちながら他人に成り変わる快楽。―女と金と名声の果てに出現した甘美な陥穽とは?乱歩初期小品である表題作「双生児」他、「一人二役」ものを中心に五編収録。」

今作は原作とは内容が異なる様で、恐らく主軸やテーマは同一のもので舞台設定やストーリー等が異なるのかと思います。間違っていたらすみません。

約12000字程の短編小説であり、青空文庫にて公開されているので読み比べてみますね。
(https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/57187_60205.html)


今作『双生児 GEMIMI』のあらすじは作品ページにて。

何処か異様な雰囲気漂う作品で、最初に目に付くのは作中の登場人物全員の眉毛がない。劇中の音楽は効果的に不穏な空気を醸し出していますし、演者さんたちの怪演も素晴らしいの一言。もう奇奇怪怪と表現するしかないですわぁ。でもそれがとても芸術的で美しい。兎に角、一見、それ以上の価値があります。是非御鑑賞を。お勧めです。

物語も構造的に非常に完成度が高く、素晴らしいものです。
読後感というか鑑賞後、何かこう、腹の底に渦巻く黒い感情が、、、寧ろ心地好かったです。

こんな目に君を会わせる作品は、今作の他には在りはしないよ。