みずきち

キングのみずきちのレビュー・感想・評価

キング(2019年製作の映画)
2.0
ティモシーシャラメの彫刻顔面を以てしても退屈。アジャンクールの戦いだけはとっても良く、重装備騎士たちがガシャコン進軍し泥まみれになって最終的にめちゃくちゃに殴りあっているのとか、戦争を美化してなくてすごく良い。全体的に中世ならではの暗く鬱屈とした雰囲気。

ヘンリー5世として即位してからの言動がいちいち動機がわからず、納得性も薄く共感も理解もできない。華美な衣装もまとわず一般兵に混じって行軍したり戦ったり、存在に気づかれずといった描写も目立つ。なんでかなと眠気と闘いながら観ていたが、最後キャサリンとの会話でようやくわかる。おそらく本人も本当はよくわかっていないのだ。終始、この王は周りに唆されて動いている。名誉も不名誉もすべて、どの臣下のどの進言をどこまで信じるか次第の結果であるとすれば、キングという肩書きと、本人の力とは一体なんなのか?その不安と孤独と頼りなさが、線の細いティモシーが王になっていく今回の役を演じる所以だったのだろう。
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