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ビューティフル・ボーイのtokoのネタバレレビュー・内容・結末

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

何度も何度も過ちを繰り返す息子。
その度に息子を探し、許し、立ち直る事を願うしかない父親。
その父親の期待にもがき苦しむ息子。

離れて暮らす母親と母親の再婚相手。
義母と義弟と義妹。
皆、彼を愛しているのに、どんどん堕ちていくニックが悲しい…

新しい家庭で幸せに暮らしていても父親には離れて暮らす息子が気掛かりなのだ。
それは離婚からの罪悪感?
息子と心が通じ合ってたと信じていた自分を否定された事実に向き合えない父親。
息子を信じたいと思う気持ちも、また親のエゴなのだろうか?

義母も、また平和な家庭に波乱を招く義理の息子を心配しつつも、その度に振り回される夫に不安を抱いていく。

周りは誰も悪くない。
悪いのはドラックに溺れたニックなのだ。

でも親は逃げられないのです。
迷いながら、関わる事が親の義務と信じている。
その父親の信念に甘える息子…父親が守れば守るほど、息子の罪悪感が大きくなっていった気がします。
初めて息子を否定した父親…それは家族を守る為でもありました。

最後まで親目線で見てしまったので、辛く苦しい映画でした。

母親が子供を守り振り回される設定が多い中で、父親と息子という関係が母とは違う絆を感じました。

映画は結論を出す事は無く終わりましたが、その後に息子が立ち直ったという事実が救いです。
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