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ビューティフル・ボーイのariのネタバレレビュー・内容・結末

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

どのシーンも美しくて、ノンフィクションのドラッグ中毒がテーマだっていう重い映画の感じはなかった。ただ、個人的に注射打つシーンはどうしても苦手で観てられなかった。あと、これも個人的にだけど、時系列が少し難しく感じた。もう一回じっくりみたい。
キャストに関しては、シャラメくんがイケメンすぎて、、でもどんどん痩せてくシャラメくんが心配になったけど美しかった。ただでさえ細いのにどれだけ減量したのだろうか、、役作りがプロすぎる。
みてる側も「救いたい!」って思ってしまうが、更生してる最中にこのままハッピーエンドを予期した矢先に、 再びドラッグに侵されていってそれが何度も何度も映画の中で繰り返される。いくらシャラメくんがかっこよくても父親目線のカットになると感情移入してしまう。だからこそニック役がシャラメくんだから成り立つ感はあった。最後のところで更生するところを写さないところも逆によかった。

印象的だったシーンは3つ

1つは、ジャスパーがニックに
「久々に会うって変な感じ」
「同じニックだった」
と言うようなシーン。
幼い子どもでも感じられるほどドラッグやってるニックが全然違う人格になってしまってるということ。それでも何度も手を出してしまう。何度も何度も後悔して立ち直ろうとするけどやめられない。ドラッグの恐ろしさが感じられた。

2つめは、義母のカレンが車で逃げてくニック達を追うシーン。
途中で追うのを諦めたカレンは車を停め、泣きじゃくったところで自分も涙が止まらなかった。実の息子じゃないのに必死に追うシーンには本当に感動した。


3つめは、父親が最後は救えないと電話を切るシーン。
肩を震わせて嗚咽する父親のデビッドが書斎の壁に飾っていたニックの写真を外し戸棚へしまうところ。そして、自分達が何をしても効果は無くて介入してもニックは死ぬだろうと言うところ。デビッドの1つ1つの言葉や行動がどれもグッときて涙が止まらなかった。

最後の詩も凄くよかった。
映画とリンクしてて余韻がすごかった。
歌も良かった。

たとえ対象が薬物じゃなくても何かに依存したり自分がおかしな道に進んでしまって抜け出せない経験はある。誰かの支えや環境も大事だけど、最終的に自分を変えられるのは自分しかいないってことを改めて学んだ気がする。

教育者目線で言うと、道徳の授業で取り扱うのもいいんじゃないかと感じた。
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