ドラッグ依存症の息子の視点とそれを支える父親の視点と両方が描かれる作品。
父親からの愛情をふんだんに受けて育った息子が何故、と捉えるべきか。
父親の過剰な期待を持て余してしまったが所以、と捉えるべきか。
結局、どんな人間だって溺れてしまうドラッグをドラマチックに描くだけでなく、医学的観点からの脳内ダメージの説明の細かさで、その恐ろしさは具体的になった。
「これはお前じゃない」と説得する父親と
「これは自分で選んだ僕だ」と断言する息子。
父親を振り切り出て行く息子は堕ちるところまで堕ち、結局父親に縋る。
もうお前を救えないと手放した父親も、結局息子を助ける。
私には子供がいる。
自分の子供がこうなってしまって
周りから「あなたでは救えない」と言われても何処かで「自分しか救えない」と思ってしまうだろう。
下世話なことばではあるけど「痛いほどわかる」
製作陣の啓蒙意欲が見える作品だった。