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愛がなんだのmaiのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.9
刺さる、めっちゃ刺さる映画でした。
帰り道は、夜だし1人だしで劇中のテルコの言う「寂しい」に自分が重なって…すごく不思議な気持ちで帰りました。笑

テルコも守も自分たちが似た者同士だって分かってるし、守も自分にはすみれよりもテルコの方が似合ってるって理解はしてるんだと思います。でも、テルコは好きとか愛してるとか超えて、彼の彼女になれないならせめて彼の側にいれる女でいたいって気持ちも共感できるし…守の、テルコに流れれば楽だけど、憧れに近いようなすみれへの恋心も捨てきれないって気持ちにも共感できるんです。
登場人物たちのこの感情に共感しちゃったら、自分結構こじらせてる分類に入っちゃうなってやつに、悉く当てはまってしまうんです…。笑
出てくる人たち、みんな本音は語れなくって、でも上手に建前だけで生きていけるほど器用な人もいなくって…その不恰好さとか不器用さが嫌な部分でもあるし、一方で嫌いになれない部分でもあるんです。なんだか、「その考え、自分の嫌い部分だな」って気付かされるし、その不恰好な部分を映画で見せられて、その必死さにメンヘラ感も感じつつ、同時に「でも恋すると仕方ないよね…」と諦めも入ってくるんですよね…。色々な感情が入りまくってしまいます。

そして、それに華を添えるキャスト陣の豪華さ。岸井ゆきのって、美人ってわけではないけれど可愛いんですよね。さっきまで不機嫌だったのにちょっとした一言ですぐにニヤニヤしちゃう感じとか、不貞腐れてる感じとか…芋感漂うけれど、本当に可愛い。そして、成田凌のどうしようもない彼氏感。すっごくイケメンなのに、もさっと感はあるし…だけど、自分に自信のない人に都合のいい女(今回のテルコ)が現れたらそうなるよねって思うし。
ベッドシーンとかリアリティあったし、会話もアドリブなんじゃないかってくらいでした。

「生きてるだけで、愛」が好きだったから、これも好きなんじゃないかなって思って見にいったのですが…大正解でした。笑
周りはカップルとか女友達2人とか多かったのですが、これは1人で行くか微妙な関係の人といってほしい作品です。「キモかった!笑」とか笑いとばさずに、映画の刺さり具合に沈黙になっちゃう…くらいの勢いで行って欲しいです。
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