芥川賞作家・中村文則の同名デビュー作を映画化。
大学生の西川トオルは、ある日、雨が降りしきる河原で一丁の拳銃を偶然拾う。銃を手に入れたことで、トオルの心は言い知れぬ高揚感を覚えるようになっていく。大切に家に保管してある銃を持ち歩き、街に出る。その緊張とスリルはトオルを満足させた。トオルは同じ大学のヨシカワユウコにも興味があったが、いつしか銃の存在感がトオルの中で圧倒的な位置を占めるようになっていく。
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モノクロにした意図は?
音声がこもったようで聞き取りにくかったのは、私だけ?
普通(が何かと問われると難しいが)は、銃を見つけたら、しかもそれが事件現場でオモチャではない可能性が高いなら、警察に届け出るだろう。
そんなものを拾って持ち帰ったら、マズいことになるのはわかりきっているから。
しかし、この主人公・トオルは普通ではなかった。
ここで最初の一線を越える。
銃を所持することで、トオルの心は高揚していく。普通の人が持っていないものを所持したことで、根拠のない自信に満ちていく。
持っていれば使いたくなるのは人情だ。トオルは小動物を撃つ。そして、次は…とエスカレートしていく。
村上虹郎は、トオルの不安定感を良く表現していたと思う。が、作品として何が心に残ったか?と言えば特に無い。
リリーフランキーの存在感は、ここでも凄い。