キツネとタユタム

モンスターハンターのキツネとタユタムのレビュー・感想・評価

モンスターハンター(2019年製作の映画)
3.2
もしゲームのモンスターハンターの世界に現実世界の軍人が迷い込んだらって映画。

ゲームの世界に迷い込んだらそうなりますよねって感想。
ゲームを知ってると、モンスターに現代の武器は効かず、特殊な武器じゃないと太刀打ちできないんだろうな、とか、
向こうの世界の人間は現実世界の人とは体の作りが違ってめっちゃ超人なんだろうなとか。思いはそのまま映像に。

モンスターの描写が抜群に良い。肌の質感もリアルで良いし、モーションをゲームに似せて描いてくれているのが良かった。
この攻撃こんなに怖かったんだ…とも思わせてくれて、ゲームとリアルの差みたいな部分を観せてくれたのはありがたい。
武器から炎が飛ぶのはなんで?とか疑問に思うことは多々あるものの、もうとりあえず気にしないのが吉。

しかし、その「ゲームの世界を再現しました!」ってのを二時間観させられた感じ。二時間持たせるにはもっと要素が無いと飽きてしまう。
主人公の葛藤も、異世界でしなければいけない目的も特に無く、ただ帰りたいだけ。帰るのも元の世界に何かを残してたとかも言及されないため、こちらの世界で過ごしてもよいのでは?とも感じてしまう。
映像美だけだと色々と物足りない。歳のせいだろうか…。

ラストの演出もことごとく苦手だった。俺たちの戦いはこれからだ!みたいな終わらせ方。
そういう終わらせ方は好きな作品もある(白石監督のカルトとかはそんな終わり方が逆に楽しい)が、
続編に繋げたいだけだとか、ファンサービスで人気モンスター出しときますよとか、そんな製作者側の意図が見え隠れするのがとても嫌だった。エンドクレジット中の、アイルーも戦うんだぜ演出も、「これ見せたらみんな笑うだろうし、盛り上がりそうだ」みたいな製作者のニヤケ顔が思い浮かぶ感じ。こちらは真顔になってしまう。

ミラ・ジョヴォヴィッチはまたまた超人になっててかっこいいけど、旦那のポール監督とのいちゃいちゃはそろそろやめてくれって思う。バイオハザードシリーズでこちらのお腹は満腹である。我々は何を見せられているんだ…

もう少し考えたら面白くなる要素も多分に含まれていると思ったので、惜しい作品。
キツネとタユタム

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