紅梅シュプレヒコール

モンスターハンターの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

モンスターハンター(2019年製作の映画)
2.0
CAPCOMの同名ゲームを「バイオハザード」シリーズの実写化も手掛けたポール・W・S・アンダーソンが映像化したアクション大作

私は数作はプレイしたことはあるものの「モンスター・ハンター」に対して強い愛情を抱いている訳ではないライトプレイヤーなので、評価が低いといってもモンハン愛好者が厳しい目で見ているだけではないかと思って鑑賞に挑んでみたのだが、想定を超える程しっかり面白くない作品だったので吃驚した

異世界転生(正確には異世界転送?)設定を採用したことに対しては特段の不満はない

この設定を使えば日常から非日常へと主人公を放り込むことは容易なので、楽に物語を始めることが出来るというメリットがあるからだ

実際、今作は異世界に迷い込んでからのモンスターとの邂逅までの展開が早く、そのスピーディーさには一抹の期待を抱いた

それはこの展開の早さならば予想以上に多くのモンスターの登場が見れるのかもしれないという期待だったが、その期待は打ち砕かれ、ディアブロスとのファーストコンタクト以降は無駄な展開がダラダラと続く上に、見たくもない虫との死闘を長々と見せられるという拷問が待ち構えているのであった

モンハンの実写化でありながら、なぜ虫に多くの尺を割こうと考えたのかが理解できない

大事なモンスターの魅せ方に関しても、主な舞台を砂漠にしたせいで巨大さを上手く伝えることができておらず、全体的に迫力に欠けていたのも残念

やはり、モンスターを登場させる際にはその巨大さを伝達するために比較対象となるオブジェクトが必要だなと今作を観て特に思った(街や雑木林で暴れさせた方が迫力は出る)

登場人物にも魅力的なキャラクターはおらず、ここまで味気がなく、鑑賞後に虚無感すら感じる作品は久々に観た気がする

今作はモンハンの実写化ではなく、愛するミラ・ジョヴォヴィッチを撮りたいがためだけに作られたポール・W・S・アンダーソンによる「俺は妻が大好きだ!」映画でしかない