しん

THE GUILTY/ギルティのしんのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.5
緊迫感に包まれる。
鑑賞後の疲労感が凄い。
観客は必然的に音に集中することとなり、通常の映画とはまた違う劇場体験が味わえる。
その音から想像される景色は恐らく観客1人1人が絶対的に違うものをそれぞれ脳内で想像しており、その肝心な部分を観客に委ねるというアイディアは純粋に賞賛に値すると思う。
また観客の想像力を高める演技を魅せる主演のヤコブセーダーグレンも素晴らしい。
必然的に顔にフォーカスされるショットが多用されるがそれに耐えうる演技を披露しており、その表情から観客は事件と彼の過去にも更なる妄想を膨らませていく。
残念なのは事件の全貌は単純明解でこの点は容易に想像出来てしまう点、ちょっと構えて鑑賞してしまったのが悔やまれる。
だがその部分は本作の本筋ではなく、1人の人間が罪と対峙する中での葛藤にこそ今作の真価があるのだと思う。
ラストカット、ドアの向こう、コール音、その後まで観客に想像させにいく手腕に脱帽。
しん

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