七沖

THE GUILTY/ギルティの七沖のレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.5
〝犯人は、音の中に、潜んでいる〟
音だけをたよりに状況を推測していく、本作一番の特徴がよく分かるキャッチコピーだと思う。

ある事情から緊急通報司令室で電話対応の仕事をしているアスガーのもとに、誘拐されたと思われる女性から電話がかかってくる。アスガーは事件を解決するべく、女性に指示を出していくが…というストーリー。

映るのは本当に電話が置いてある事務室だけ。それで観客の興味を一時間半にわたって持続させるのがすごい。

主人公がやりとりしている相手の外見も情景もわからない。本当に声と音だけが頼り。だから自然と電話口の向こう側で起きていることを想像しながら観ることになり、なんか小説に近い楽しみ方だと感じた。
正直アスガーの性格はあまり好きになれないのだが、だからこそ彼の成長につながるストーリー展開になっている。
ただ、本音を言うともう一捻り欲しいストーリーで、そこが残念だった。
とはいえ作品のコンセプトは間違いなく面白く、映画館という作品に集中できる環境でこそ観る価値がある映画だと感じた。
七沖

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