anne

THE GUILTY/ギルティのanneのネタバレレビュー・内容・結末

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

Filmarksさんの試写会にて
代官山シアターギルドさんでのヘッドホン上映という特別な鑑賞方法でした。


過去のある事件をきっかけに警察官として一線を退いたアスガーは、緊急通報指令室のオペレーターとして些細な事件に応対する日々を送っていた。
薬を使用した人からの電話、女性に騙されて強盗にあった男性からの電話、交通事故処理の手配の電話……。
電話越しに小さな事件に応対する日々の中、イーベンという女性から一本の通報を受ける。
それは今まさに誘拐されているという通報だった。

緊急指令室から出ることもなく、被害者や犯人、その情景が映し出されることもなく88分。
私たちは主人公と共に、劇中で溢れる様々な音の中から犯人を探す体験を映画ですることとなる。
耳に神経を集中させ、想像力を働かせる。
ヘッドホンでの鑑賞だったためより一層没入感と臨場感を感じられ、そのせいか88分がやけに長く感じた…


感想としては、終始溢れている「音」だけで状況や情景を想像するのは今までに味わったことのない感覚で、見終わった後、緊急指令室以外の映像はなかったはずなのに不思議と色んな情景が頭のなかに残っていて、面白い感覚を体感した。


ただ、イーベンからの電話がただごとじゃないかも?と刑事の勘を働かせられるなら、マチルデとの電話でも

・オリバーの泣き声がないこと
・マチルデが、二人がオリバーの部屋でケンカをしていて髪を掴んでたのを見たこと
・お父さんからの絶対に開けちゃダメ
・番号を必死に覚えさせられたこと

それだけの材料があったらせめてオリバーに何かあったのでは!?くらいは気づかないものなのか、と。
マチルデの話から一概にミケルが犯人だと決めつけるには違和感があったし、その後もミケルの家の新品のおもちゃや、イーベンとミケルのそれぞれが度々電話に出ることもあれ??ってなんかおかしいって思わないの?

そしていくら指令室の人たちとうまく関係作れてないにしても、誘拐事件だと分かった瞬間、共有したり、保留なり最後みたくマイク覆って別の仲間に一刻も早くマチルデの元へパトカーの手配したり同時に動いたりしないの!?と思った。
ただ、そういうところも含めアスガーの一連の間違った行動への伏線なのかもしれないと思ってみたり…

「音」だけの情報しかないからこそ、大きな想像力と間違った思い込みをしない冷静さが必要だなと思った。
「聴覚から得られる情報量はわずか11%」
らしい。
だからこそ、大きな想像力であらゆる可能性を冷静に考えていかなければいけないと感じさせる映画でした。


シアターギルドさんでの鑑賞ですが、椅子がデザイナーズものなど一つ一つとても素敵ですが、後ろに座ると全員の頭や動きが見えたり、ライトも完全消灯ではなかったので壁の装飾などがとても目には入りました。
わがままですが、一つ一つの椅子がせめて後頭部まで隠してくれるようなソファーのようだと、更なる没入感と映画館では味わえないリラックス感と体験があるのではと勝手ながら思いました。
そして少し寒かったです…


ですが、ヘッドホン装着での大画面鑑賞 という普段では経験することのできない貴重な体験をありがとうございました。
Filmarksさんもご招待ありがとうございました。
anne

anne