クリーム

CLIMAX クライマックスのクリームのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
3.6
前半がダルくて、一度諦めた作品。後半は違う映画の様な乱れぶりで、私は好き。この後半の映像が斬新な意欲作。トリップを映像表現しようと思った監督に拍手。画像が暗過ぎるのが残念だったけど、面白い。出演者は全員ダンサー(主演のみ女優兼の人)。ノリノリのダンスが好きな人には前半も楽しめるのかも。品はありません。アンチドラッグムービー。
1996年、人里離れた建物に集まった22人のダンサー達。有名振付師に選ばれた彼等は、最終リハーサルを行っていた。リハが終わり、打ち上げパーティが始まる。しかし、次第に異様な精神状態に突入し、理性を失っていく。狂乱の一夜が始まるのだった。




ネタバレ↓




中盤からサングリアに混入されたLSDのせいでダンサー達がトランス状態となります。人間の本性が剥き出しとなり、暴力やSEX、ダンスに没頭する者、放尿する者等が現れ、ダンスフロアは狂気と化して行きます。もっと早くから狂喜乱舞でも良かったんじゃないかな?
可哀想だったのは、母に配電室に閉じ込められ泣き叫んだ末、感電死してしまう息子ティトー。母も息子の死を悟り扉の前で自殺する事になります。
映像が上下逆転したり点滅したりで、何だこれは?なんですけど、観賞者にトリップ感覚を体験して欲しいという意図だと思います。字幕まで上下反転する徹底ぶり。画像が暗いのがホント残念。
ラストは警察もドン引きの壮絶で凄惨な現場を1通り観せて、幕を閉じます。
一体誰が、サングリアにLSDを入れたのか?観賞者の判断に委ねられます。
まあ、最後にプシュケが目薬(これも麻薬)を差しているシーンで、彼女の本棚にLSDに関する本が並んでいるので、犯人はプシュケって事だと思いますが…。そして、冒頭、雪の中もがいていたのは、サングリアにLSDを盛ったと疑われ、屋外に追放され凍死したオマール。
後半、怒涛のトリップ祭。とにかく凄まじい。ケダモノ級で好みだった。が、悔やまれるのは、前半の退屈さとホラーとしての怖さがなく、画像が暗い事。奇抜なアイデアだったのにちょっと惜しいなぁと言うのが正直な感想。
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