ぐりこ

CLIMAX クライマックスのぐりこのネタバレレビュー・内容・結末

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

日本の予告はセンスがないなと思った。ミスリードさせるための予告だと考えると逆にセンスが良いのかな?

作品は2回観ても楽しめるような作りになっていると思う。
お酒を含めてドラッグは、酔い方に人と社会との関係性が見えたりするが、
最初のインタビューシーンから、それぞれの抱えている傾向や問題がわかり、それらとその人の酔い方の関連性が見て取れると感じた。


もっとキャッチーな見方をすれば
「犯人探し」という見方もできるだろう。
<<誰がサングリアにLSDを入れたのか?>>ということだ。
これは最後のシーンで明らかになる。
正直冒頭からLSDを使用している人は丸わかりだと感じるのだが、最後にLSDを使用している"犯人"を映すのは監督の悪意のあるサービスだろう。
というのは、サングリアにLSDが入っていると思い込んでいること自体がミスリードだと思うからだ。
ミスリードした人たちをもストーリーとして腑に落ちさせる最後のシーンに、ギャスパーノエ監督のニヤリとした表情を感じてしまった。
しかもそのシーンが美しくかっこよかった。

いわゆる"ドラッグ"と話されるものの中に合法であるアルコールは含まれなかったりする。しかし脳内物質の機序を考えると明らかにドラッグである。
お酒を飲んで喧嘩をしている人を見かけることは、繁華街の道端では良くあることだったりする。
この映画で起こっているヒステリーな現象は、すぐ隣の居酒屋でも起こりうる話だと思った。
これは非日常なようですぐ隣にある日常だということを忘れずにいたい。
ぐりこ

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