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ロケットマンのomochiのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
3.6
エルトン・ジョンの曲が大好きだ。オールタイムベストの『あの頃ペニーレインと』でも大好きな『エリザベスタウン』でも、キャメロン・クロウ監督の作品では大事なシーンでいつもエルトン・ジョンの曲が流れるから。

誰もが認める天才的な才能と実力があっても、ずっと水中で溺れてるように息苦しくて孤独な話だった。とにかく孤独で自暴自棄な時、お酒に任せてもう人生をやめたくなる気持ちも溺れたくなる気持ちもなんか分かるな。

自分がどんなに欲しても一度も手にすることの出来なかった父の愛もハグも、歳の離れた小さな弟たちはいとも簡単に手にしてる。それを見せつけられるのが、どれほど辛いことか。
母親にも憎まれ、拒絶され、一生忘れられないような言葉を投げられ、それでも愛を渇望する姿はとても痛々しかった。

自己肯定感の話になるけど、自分を傷つけてきたり大切にしてくれない人なんてサッサと離れないと本当に心が死ぬし、自信もなくなる。バーニーやお婆ちゃんみたいな人がいることにもっと早く気付けたらよかったねと思う。

派手な衣装で歌って無理矢理笑うエルトンはピエロのようだった。ちょっとジョーカーに近い。

「過去の自分を殺すんだ。なりたい自分になるために」
彼は過去の自分を殺すことが出来たのだろうか。きっと出来たんだろうな。
ボヘミアン・ラプソディに構成も演出もめちゃくちゃ似てるから二番煎じ感は否めないけど、これはこれでよかった。
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