エガートンの役作りが素晴らしい!
しかし、それよりもストーリーが悲しく素晴らしい。
いくら才能があっても"正しく愛されない"(母親からの言葉)哀しみ。
過去、傷つくたびに派手になっていくステージ衣装。
現在、セラピーの場で告白するたびにどんどん脱げていく奇抜な衣装。
衣装こそが彼の鎧だったことがわかる。
そして「注目」というかりそめの愛を得る道具。
しかし、彼が世界に愛されたのはやはり音楽。
それが満たされぬ想いを昇華させた結果なのだとしたら、孤独な人生にこそ意味があったように思えて哀しい。
しかし、多くのヒット曲が生まれた孤独な人生と、
なんの変哲もない普通の人生、
きっと彼はやはり彼自身の人生を選んだだろう。
過去や現在のエルトン自身の幸せな写真がエンドロールに出てきて心から癒される。