kty

葬式の名人のktyのレビュー・感想・評価

葬式の名人(2019年製作の映画)
3.4
原案川端康成、音楽上野耕路、主演前田敦子の関西弁が新鮮な群像劇。

川端康成の母校、大阪の茨木高校(旧制中学だろう)の卒業生達が旧友吉田の葬式で再会する。

当たりの柔らかい大阪弁と素朴な茨木市街地で、高良健吾の安定のカッコよさと個性派俳優達の仲間意識にホッコリ。

ただ物語自体は、邦画の制作委員会方式にありがちな後半にあれやこれや詰め込んで、結局何が言いたかったの?
特に佐伯日菜子が端役でもったいないなあ。ホラーでないから仕方ないけど。

でも上野耕路の品格のある劇伴は控えめでいいし善人だけが登場する作品は安心して観れる。

川端康成自身、幼少から少年時代に肉親、姉、祖父を亡くし、「葬式の名人」と言われたことをきっかけに同名の小説を書いたとか。

原案だから、小説と本作は別物だとしても、川端康成の書く日本語の美しさに触れたくなった。
kty

kty