意外性とか、ギャップに人は弱い…と、思う。
そういう意味では主人公の佐藤(殺し屋、ファブル)は個性的な存在で、普通であろうとするたびにコミカルで笑わせてくれるキャラクターだった反面…
敵方に回る殺し屋や雇い主はいかにも、というステレオタイプな役柄で、せっかくのアクションシーンすらもったいなく思うほどに物足りなさを感じてしまった。
あくの強そうな面子が揃っているのでその中で光るというのは難しい事だとは思いますが。
決して好きにはなれない役柄ではあるけれど柳楽優弥さんはいいキャラクターを出していたし、安田顕さんや佐藤浩市さんはやっぱり硬軟の取り混ぜ方が上手くて、一瞬だけど尾をひかせるような、哀愁漂う空気感を出すのが上手い。
代わりに若い殺し屋を演じる福士蒼汰さん、木村了さんや、向井理さんの役どころは初めに役柄ありきで、内面を持った人物として見えてこない分薄っぺらく、敵役としても物足りなさが出てしまう。
脚本が…と言ってしまえばそれまでだけどこの役柄なら別の俳優さんでもそう変わらなかったのでは、なんて思わせたら駄目な気がする。
これからが楽しみな俳優さんなだけに期待値もあがってしまうんだけど。
「ポテチ」でも感じたけど、木村文乃さんのこういう役柄の演技、映画の中の清涼剤みたいな感じがして大好きです。