maverick

君の結婚式のmaverickのレビュー・感想・評価

君の結婚式(2017年製作の映画)
4.3
2018年の韓国映画。
『建築学概論』が持つ、公開6日で動員100万人の最速記録を塗り替えたことで話題となった作品。初恋ブーム再び。


元々観たいと思っていた作品だったが、『僕らの青春白書』で虜になったパク・ボヨンの主演作ということで早速鑑賞。同じく主演のキム・ヨングァンも『僕らの青春白書』の共演者。あちらでは恋に発展することはなかったが、本作では相思相愛なお似合いの二人。田舎のヤンキーを演じていた二人が何ともピュアな恋愛を見せてくれる。韓国の役者は演じ分けが本当に凄い。

主演の二人の魅力が絶大だった。
パク・ボヨンがめちゃくちゃ可愛い。童顔を活かしての高校生役は違和感皆無。撮影当時28歳なのだから驚き。強気なキャラは『僕らの青春白書』でのヤンキー役とも似ているが、また別の魅力に溢れている。情けない男のウヨンをぐいぐい引っ張っていくような役。事あるごとに手や足が出るのは『猟奇的な彼女』っぽい(笑)。そんな強気な女の子だけど、か弱い守ってあげたくなる部分とのギャップがもうたまらなくて。動揺して目が泳いじゃうしぐさとかね。大人になってもこのギャップが大きな魅力だった。負けないように常に強く生きているスンフィ。だから心を預けられる相手の前では素直に甘えてくる。本当は守ってほしいんだよね。生い立ちに影響されるスンフィのキャラをしっかり掴んでいての好演だった。
キム・ヨングァンも高校生を違和感なく演じていて凄い。全体的にちょっと情けない草食系男子なんだけど、背は高いし筋肉質だし、優しいマッチョマンって感じ。そしてピュア。純粋で真っすぐ。優しいがゆえの不器用さが愛らしい。不器用がゆえにたくさん損もするんだけど、でも本当に良いやつなんだなというのが伝わってくる。キム・ヨングァンの爽やか好青年ぶりが際立っていた。香取慎吾みたいな無邪気な笑顔が良い。この笑顔にやられちゃう人も多いのでは?高校生から大人への移り変わりも自然に演じ分けていて素晴らしかった。
この二人の身長差カップルは本作の目玉でもある。キュンキュンしまくりだよ。

『建築学概論』もそうだけど、本作は年齢を重ねた大人にこそ刺さる作品性。この二人の人生を自身の過ぎ去った恋と重ねる人は多いと思う。誰かを好きになって一生懸命になって。上手くいかなかったり失恋したり。恋が実り相思相愛の幸せな日々。大切なのに、でも傷つけてしまったり。激しく誰かを愛したことがある人ほど本作は心に刺さることだろう。いくつも共感出来る場面、台詞が出てくる。本作は真剣に誰かを愛した人たちの人生を代弁するかのような物語。美男美女のスターが見せる夢物語じゃない。これぞ恋愛。これぞ人生。そういう作品だからこそ心に響く。

前半の学生時代は何だか連ドラな雰囲気で、良質な韓国映画を期待していると少々期待外れな気分になる。でもそれを経て、感動的な後半の展開へと綺麗に繋がってゆく。主演の二人を見るだけの作品かと思いきや、もう最後のほうでは涙が溢れて止まらなかった。何て良い作品なんだろう。さすが韓国映画。期待を裏切らない。


本作を観て、人それぞれ思い返すことがあるだろう。自分もそう。出会えて良かった。ありがとう。そう言える相手がいる。人を愛することってやっぱり素敵だな。
maverick

maverick