このレビューはネタバレを含みます
この作品に関しては、TVシリーズを鑑賞したときに唯一不満点がありました
それは、ヴァイオレットが少佐を想う気持ちに感情移入ができなかった点です
少佐は彼女を道具としてではなく、人間として生きる道を与えてくれたからこんなに想っているんだ…と、理屈では理解できても、いまいちそこに入り込める物はありませんでした
その理由は、ヴァイオレットが少佐に文字を教わったり等の京都アニメーションが大切にしている「何気ない日常」の描写が無かったからです。ヴァイオレット外伝が名作たる理由は、エイミーやテイラーの日常が丁寧に描かれているからこそだと思っています
でも…今回の劇場版を観て、その「日常」は確かにヴァイオレットや、少佐にもあったんだと深く思わされました。たった数分・数秒の場面だけかもしれませんが、それらは私の胸を強く打ちました
それがあっただけでも、この劇場版を観て良かったと心から思える瞬間でした
TVシリーズだけでは欠けていたピースがピタリとハマった瞬間
自分の中で「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という物語は、この作品を以て完結であり「完成」しました