たっかん

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのたっかんのレビュー・感想・評価

5.0
 すごく久しぶりにフィルマークスにログインしました。ログインした理由は簡単で、今までの映画鑑賞人生においてとても大切な、一位二位を争うほど大切な映画と出会えたからです。『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、生涯忘れる事のできない、そして節目節目で見返したくなるそんな素晴らしい映画です。

 まずはネタバレ無しで記載し、のちほどネタバレ宣言をした後にネタバレ編を書きます。

 この作品の素晴らしい所は、“【不変】で【普遍】の愛”を、とてもまっすぐで王道なストーリーのもと、実に繊細で力強く、温かい絵、演出、音楽、歌、そして声で表現しているところです。「愛」といえば、去年大ヒットを記録した『天気の子』の主題歌「愛にできることはまだあるかい」で、RADWIMPSの野田洋次郎さんが「愛・・・幾多の映画で語られ尽くした」と歌っており、当時はその通りだなあと思っておりました。しかし、本作は、新たに、実に王道で、そして今の私たちに響く、「愛」の映画として「語られ尽くした」現代に誕生したのです。

 TVシリーズですでにその絵の美しさについては周知であるものの、本作ではさらにそれを追求されており、絵が繊細で有名な京アニさまの本気を感じる事ができるのです。

 そして細かい演出、実に無駄がなく、全てに意味があるかのようです。この書き方をしたのは、私がまだ全ての演出を理解できていないからですが、手や口元、天気、草花、そのシーンごとに、そのシーンの意味を、感じる事ができます。

 音楽、こちらもTVシリーズに引き続いてのEvan Callさん。繊細、もう本当に繊細で、時にとても力強く、この作品を傑作にたらしめる大事な一つの要素です。

 そして、歌・・・・・歌が、、いい!!!歌がいい、とにかく歌がいい。この映画において本当に大事な役割を果たしています。メロディも歌詞も、ヴァイオレット、ヴァイオレットの未来、希望、そして私たちへのメッセージを強く、優しく表しています。TRUEさん、 茅原実里さん、このお二方はTVシリーズを視聴した際に初めて知ったのですが、本当に素敵な歌声です。お二方ともご自身で作詞をされており、その詞からは、この作品を本当に大切にし、ヴァイオレットについて深く理解をされ、ヴァイオレットを育ててらしたのだということがひしひしと伝わってきます。

 声。声優さんって本当にすごいんだなと改めて思いました。なんという迫真の演技、もうこれはヴァイオレットであり、ギルベルトであり、もう登場人物そのものなのです。全く声だけしか聞こえないシーンがあるのですが、あれはもう時が止まったかのように胸を締め付けられ、涙を禁じ得ません。

 映画というのは「感動した」「泣ける」等と形容され集客されることが多いと私は感じているのですが、そのような文言を見るたびに正直少しげんなりしてしまいます。その為、あまり涙について語りたくはないのですが、しかしながら、この作品についてはそれに触れざるを得ません。TVシリーズをご覧になった方ならば、上映開始早々にとあるシーンで号泣必至、そうでなくても涙をこらえられないシーンが沢山でてきます。その一つ一つがとても尊いのです。今まで3回この映画は鑑賞しましたが、どうしても涙をこらえることができません。絵の美しさをしっかりと見たいのに、涙が邪魔をしてそれが叶いません。是非、ご覧ください。

 本作はTVシリーズをご覧になってからの鑑賞を強くおすすめしますが、監督はインタビューの中で「原作やTVアニメを観ていない人、『劇場版』で初めてヴァイオレットに触れる方々にも、届くといいなと思います。そういった方々にも楽しめるように作れていると良いなと思います。」と仰っていますので、全くの初見でも問題ないかと思います。とはいえ、やっぱり個人的には多少映画以前のヴァイオレットについて知っておいた方がより楽しめると思うのです。その方々の為に、京アニさまは公式YouTubeで3回に分けて5分ずつのTVシリーズのダイジェストを公開していますので、そちらを先にご覧になってからがよろしいかと存じます。では、ネタバレなしの感想は以上にして、リンク集のあとにネタバレ有りの感想を記載します。

リンク集:
・TVシリーズダイジェスト映像「5分で分かる #ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
https://twitter.com/Violet_Letter/status/1310142383930175489?s=20
・オフィシャルインタビュー 第二弾 石立太一監督
http://violet-evergarden.jp/special/interview02/
・TRUEさんのエンディング曲「未来のひとへ」のライブ映像
https://twitter.com/miho_karasawa/status/1309450087269982208?s=20
・茅原実里「みちしるべ」 MV Full Size (映画版では挿入歌としてとても大事な場面で使われました。)
https://youtu.be/UKU4B05fPck




【ネタバレあり】↓↓↓





 ヴァイオレットちゃん!!もうね、ほんとにスタッフロールの後の指切り、窓辺の陽だまりに座るギルとヴァイオレット!少佐あああああああああ!!!あのシーン尊過ぎませんか?もう本当にね、この作品に出会えてよかったし、二人が幸せになれて本当によかった。二人でいる、それが全てなのよ。二人にとっての幸せはそこでもう完結している。完全で完璧。

 だいたいあの心に沁みる『WILL』と『未来のひとへ』を聞きながら、そして余韻にひたりながら、そしてこんな素敵な映画を作ってくださった方々のお名前を拝見しながら、スタッフロール中に席を立つなんて!!!!そんなこと!!!私にはできない!!!もうね、好き。好きでしかない。もうさ、公式HPのSpecialにある監督や出演者のインタビューや舞台挨拶レポートを読むと、その熱さ、ひたむきさにそれだけで目頭が熱くなるよ。本当にありがとう。いろんなことがあったなかでのこの作品。本気が伝わってきましたね。最高だよ。まじで。まだ読んでない人、ほんと是非よんでください!

 ユリスとリュカの電話のシーン、あれ泣かずに見られる人何人いるんですか?ずっとともだちって・・・・亡くなっても、無くならない。ずっとともだちなんだよね。みなさんはTVアニメシリーズのExtra Episodeご覧になりましたか?映画のはじめの方で出てきたあの海への賛歌を歌った歌姫イルマとヴァイオレットの物語。そこでイルマが歌うLetterでの歌詞にこのようにあります。

"愛はいつも 陽だまりの中にある 見えなくても 触れられなくても そばにあるように"

 いやもう書くだけで泣けるわ。ユリスもさ、亡くなって見えなくても、触れられなくても、そばにいるのです。ずっと、ずっと友達なんだよね。このLetterも今回主題歌とエンディングを担当されたTRUEさんの曲です。すごいわ、、、ほんとにヴァイオレット・エヴァーガーデンは歌が神ですよね。

 歌と言えば、「みちしるべ」のあのシーンですよね!!!夕陽が落ちきった瞬間、もう船は出発してしまっているけれども、まだ間に合う、あのシーン、はしれぇえええ。手紙に書かれている〇〇〇〇〇(これはもうあえて書きません!!でもあれに決まってます!)を読み、兄さんのディートフリートの優しい後押しを得て、駆け出す!!!やああああああ、もうここの大佐やばくない?大佐、大佐ああああああ!麻袋にいれてくだああああい!
 少佐が駆け出すと、ヴァイオレットは何かを感じて島を見つめる。そして少佐が叫ぶ!!そこからのシーンはもう尊いでしかない。あれさ、時間をかけてヴァイオレットがあの言葉を言おうとするじゃないですか。でも、言えないのよ。でもね、言えなくていいんですよね!!!!だって、もう、手紙で伝えてるんですもの!!!尊い。尊いわぁ。月に祝福されたあのシーン・・・・端的に尊い。
 あのシーンで流れる「あーなたのー声がー、道しるべー」はもうさ、泣くしかないですよね。

 「WILL」も好きです。
"未来へ 帰ろうか 帰ろうよ"
"ただ ただ ただ あなたと 生きていく"
 もちろん「未来のひとへ」も!!聞けば聞くほど好きになり、映画の理解も深まります。歌がいい、とにかく、歌がいいのです。ヴァイオレット・エヴァーガーデンは。

 好きなシーンで言いますと、もうたくさんありますけど、あの嵐の後の朝のシーン、あの絵やばかったですよね。鳥肌でした。あんな美しい朝は見たことないです。すごかった。京アニさま・・・・すごい。

 あとあの花火のシーンよかったですね!美しい。そして、ホッジンズ!ホッジンズ!ホッジンズーーーーーー!!ヴァイオレットちゃんいなくて、寂しいよね。過保護って言われても、だって好きなんだもんね。ホッジンズ、たまには島に遊びに行けばいいじゃんね。ホッジンズ幸せになってほしい。もう幸せなのかな?ずっと心配していたヴァイオレットが幸せに旅立って。社長はカトレアをはじめ素敵な社員に囲まれて、多分それはもう幸せですよね。カトレア・・・・カトレアの面倒見の良さ、包容力はんぱないですよね。カトレアがいなかったら今のヴァイオレットはいないと言っていいでしょう。

 切手。あの伏線回収はやばくない?初見の時まじで鳥肌。ヴァイオレット、本当に町中の人達に愛されてたんだね。そりゃそうですよ。あんなにまっすぐで、愛を知って、優しくて、人の気持ちに寄り添うことができる、本当に素晴らしい、素敵な女性に成長したんですもの。本当に成長しましたよね。すごいよ。ものすごく努力したんだと思う。なんか、自分も頑張ろうって思いましたね。

 ノベルティの話を少し。映画の入場得点がオリジナル短編小説って!!!!その時点でやばいですよね。皆さんはなにをもらいました?私は3連続でifでした。や、もうね、めちゃくちゃよかったです。これはちょっとさすがに【ネタバレの感想】欄といえど、楽しみにされている方もいらっしゃるかと思いますので、深くは書けないです。でも、大佐について、映画見た時よりももっと知る事ができます。TVアニメシリーズの大佐ははっきり言って非道です。でもね、なんであのように非道だったのか、なんで「こんな言い方しかできない」のか、このifを読み、そしてもう一度映画を見ると、とてもよく分かるのです。大佐の回想シーンあったじゃないですか?熱くてしんどそうなギルにぽんっと帽子を被せて、でもギルの嬉しそうな笑顔を見ると、目をそらせてしまうそんなディートフリート。ヴァイオレットがユリスに兄弟について語っていましたよね。あれはディートフリート大佐から聞いたことだと私は思います。島でギルと再会した時に「お前は可愛がられてただろ」という言葉の裏に隠された寂しさ・・・・・。大佐、大佐ぁあああああ。

 複数回ご覧になって、ノベルティ被ってしまった方も多いと思います。Twitterで、「ヴァイオレット エヴァーガーデン 交換」で検索してみてください。沢山の人が交換希望のツイートをしていますよ。私もすでに交換手続き済みで、さきほど郵送してきました。届くのが楽しみです!

 という感じですかね!感想!やあ多分あとでまた加筆訂正する気はしますが、疲れたのでいったん終わりにします。乱文失礼しました。本当に素晴らしい映画でしたね。手紙、書かなきゃなあ。書きたい、そう思いました。「あいしてる」の意味が、私も少し分かった気がしました。京アニさま、ありがとう!