ふみ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのふみのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

9月後半、アニメ全話→スペシャル→外伝(映画)と一気にネトフリで見て、
この公開中の劇場版も観た!間に合ったー!!
アニメ放送当時、録画が飛び飛びだったからちゃんと全話見たいと思ってた。よかった……

以下、自分用だらだらバラバラ感想。思ったことを思い出すまま書いてるのでばらばら。

鞄にハンカチとティッシュが入ってることを確認し映画館に向かった。
(元々涙脆いので泣かない映画の方がレアなんですがヴァイオレット・エヴァーガーデンは特に泣かせにくる作品なので……)
あちこちからすすり泣きや嗚咽が聞こえてくる映画だった……漏れなく私も……
途中、「うっ」って思ったところで前方の席から「うっ」と嗚咽が聞こえてちょっと面白かった……

アニメを一気に見たあとだったので冒頭も
「え?このお家……外にある机や椅子……アーチ……あの10話の子のおうちでは!?」と気付いて、早速泣いた……
なくなったお母さんからの毎年のお誕生日お手紙、ぼろぼろになるまで、しぬまで、箱に入れてとっておいてる……
それを孫(手紙依頼したお母さんから見たら、ひ孫)が見るっていうのも胸にくる
手紙って形に残るから、いいよね。

全体的にアニメやスペシャルのエピソードを踏襲してて良かった
あとエリカちゃんも、自分の夢にちゃんと近付いてて素敵……

ヴァイオレットちゃん視点のカットが多め。(少佐に引き取られるときのうなだれた視点とか、俯いてるときの視点のスカートとか)アニメや外伝ではなかったから新鮮。

女を泣かせる男は嫌いなので、(会わないのはヴァイオレットちゃんを大事に思うからこそとわかりつつも、)つい少佐に対しても
は?いや最後に「愛してる」なんて呪いの言葉言ったくせに会わないとか何だよ、ヴァイオレットちゃんの気持ち考えろよ、と思ってしまったし
ラストも「泣くな」←いやお前のせいだろ!!!!!!!!とキレかけてしまったけど、
ヴァイオレットちゃんのお手紙にあったように「少佐の『愛してる』」は「みちしるべ」であり、その後のヴァイオレットちゃんの人生において生きる意味になったんだよな……大きく影響してるんだよな……と泣けた……
そして少佐がヴァイオレットちゃんのお手紙を読むときに流れるみのりんの歌でも「あなたの声が〜みちしるべ〜」から始まる……

少佐の家の前のシーン、前までのヴァイオレットちゃんだったらあのまま「なぜですか、わかりません」「少佐が出ていらっしゃるまで、待ちます」って嵐の中扉の前で待ってたのかなとか……、、。
でも、「ヴァイオレットには会えない、忘れてほしいし、自分も苦しい」と思う少佐の気持ちもわかるようになったからこそ、扉の前から駆け出したんだろうなって……

しかし子安さん(社長)完全に保護者……

依頼受けてた男の子が危篤と聞いてヴァイオレットちゃんが嵐の中行こうとするけど
代わりにアイリスとベネディクトが駆けつけるシーンも、よかった
無理なときは、周りの人を頼っていいんだよね……
あと、アイリスが今は手紙じゃなくて電話を使うべきだって咄嗟に判断するのも……電話を目の敵にしてたし、ドールとしては勇気いることだったと思うけど……すてき……

「すぐに伝えられる」電話という新しい発明、文化の良さも描きつつ、
「落ち着いて言葉を選べるからこそ気持ちを伝えられる」お手紙の良さも描かれていて
とても良かった……

電話、手紙、さらに現代はメールにSNSなど、伝達手段が増えてるわけだけど。
電話は、相互の都合が良ければその場ですぐに伝えられるし
メールは、電話がつながらなくても相手の都合がいいときに見てもらえて、文字に残せるから記録にもなるし
手紙は、届くのには時間がかかるけど、デジタルの文字よりも書いた人のあたたかさがあり。
それぞれ便利な点があるけど、「やっぱり手紙もいいよね」と思えるそんな作品で心打たれる。

あと少佐のお兄さんが柔らかくなっててというか、人間味増しててよかった……アニメの最初はすごくいやーな人に見えたけど、たぶん弟のコンプレックスとか、ヴァイオレットちゃんへの恨み(弟を守れなかった)や嫉妬のような何か?(弟とヴァイオレットちゃんがお互い大事な存在になってるのもそうだし、ヴァイオレットちゃんが人間の心を持っていくのも、自分は素直になれないから、悔しいみたいな)とか、そういうのからくるものだったんだろうなあと……

お兄さんといえば船の少佐の遺品(しんでなかったがww)を引き取るシーンで、帽子を見て
ヴァイオレットちゃん「これも少佐の……///」
兄「いや……、それは俺のだ」
ヴァイオレットちゃん(……スッ)
が面白かった。

一点気になったのは、ラスト、切手の話で「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「私のおばあちゃんも(ヴァイオレットに手紙を)書いてもらったことがある」ってところ、ひいおばあちゃんでは……???まあでも、受け取ったのはおばあちゃんか……「書いてもらった」だと依頼っぽいから何となく違和感あった

今年はコロナであんまり人にも会えてないけど、ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見てたら、年賀状いつもより多く書こうかなーって思った。

年賀状というと、毎年年賀状を出していて返事をくれていた小学校の先生から、ある年返事がなくて、あとから年末に亡くなってたと知ったことも思い出す。
届いたのは年始だろうから、ああ、私の最後の年賀状は読まれなかったんだな……とか、「また小学校にも遊びに行きたいです」って書いたけど、行ってればよかったな……とか。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、アニメシリーズも、映画も、「素直な思いを伝えることの難しさ、尊さ」が描かれていたと感じる。
生きているうちになるべく、自分の思ったこと、感じたことは文字にしておきたいし、後悔しないうちに人にも伝えていきたいと思う。
ふみ

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