マッサージ屋2号店

凪待ちのマッサージ屋2号店のレビュー・感想・評価

凪待ち(2019年製作の映画)
5.0
『凶悪』白石和彌監督作品。

ほぼ事前情報入れずにチラッと予告を見た程度だったのでサスペンス作品かと思ってました。
ところがあまりにも重い人間ドラマに面食らってしまった。

再起をかけて彼女の故郷で生活する香取慎吾演じる郁男。
ギャンブル依存を断ち切ったはずが再びはまり、さらに西田尚美演じる彼女が殺人事件に巻き込まれ…と転落していく。

全くギャンブルをしない私としては感覚がよく分からないが、病気だと思えば納得する。
何があっても抜け出せないループは本当に恐怖です。
ここまで周りが手を差し伸べても期待を裏切ってしまうというか。
本人も自分でクズだと分かっているがどうしようもない。
普通はそこで更生するだろ?と思うが…逆に悪循環の繰り返しがリアリティありましたね。

後半は見ていて涙が止まりませんでした。
順風満帆じゃない人生の苦しみが痛いほど分かって…見ていて辛かった。
一応殺人事件の犯人も急転直下的に判明しますが、正直最初から疑ってました(笑)
良い人役のイメージじゃないだろ?みたいな。

あんまし期待もしてなかったからか、やけに個人的には感情が揺さぶられまくった作品でした。
同じ中年として色々考えさせられました。

【TOHOシネマズ モレラ岐阜】